第10回 クラウドとは何か
連載第10回目のテーマは「クラウドとは何か」です。
「クラウド」というIT用語があります。詳しい内容はわからなくても、流行りのIT用語であることはご存じの方も多いと思います。4、5年前に「ウェブ2.0」というIT用語が流行りましたが、その後に続く流行りのIT用語です。前回、iPADを使いこなすための重要な要素は「クラウドサービス」であると述べました。そこで、以下に「クラウド」について簡単に解説します。
目次
1.クラウドとは
「クラウド」は、「クラウド・コンピューティング」や「クラウド・サービス」とも呼ばれます。「クラウドに接続する」、「クラウドを使う」といった表現もできますが、言葉的には「クラウド」を「インターネット」に置き換えることができます。そして、「クラウド」を「インターネット」に置き換えると、それぞれは「インターネット・コンピューティング」「インターネット・サービス」「インターネットに接続する」「インターネットを使う」といった表現になり、より理解しやすくなると思います。つまり、「クラウド」とはインターネットを通じて提供されるソフトウェアサービスを指します。「クラウド」は直訳すると「雲」ですが、「クラウド」が「インターネット」という言葉に置き換えられるように、「インターネット」を「雲」に例えて、雲の向こうにあるシステムやサービスを総称して「クラウド」と呼ばれます。
クラウドの特徴は
(1)ソフトウェアのインストールが不要
(2)すぐに使える
ということが挙げられます。
2.クラウドの特徴1 ソフトウェアのインストールが不要
クラウドの代表であるGoogleを例にとって考えてみましょう。Googleは、インターネットに接続したパソコンなど電子機器とウェブブラウザがあれば割と簡単に利用することができます。具体的に例を述べると、Googleメールはウェブブラウザがあればメールを読んだり書いたりできますが、Windowsのメールソフトの代表であるOutlookなどは、パソコンにOutlookをインストールしなければ利用できません。同様に、Googleメールは携帯でも利用できますが、Outlookは携帯では利用できません。このように、クラウドはインターネットに接続してウェブページ(ホームページ)が閲覧できる電子機器がありさえすれば利用可能なのです。従来はインターネットを利用するためにWindowsパソコンが主流でしたが、今後はWindowsパソコン以外でクラウドを利用する割合が増えると思われます。そして、携帯電話はもちろん、テレビやカーナビなど、今後登場する家電製品はクラウドの利用が可能または前提とした製品が増えると思われます。
3.クラウドの特徴2 すぐに使える
「セールスフォース」というCRM(営業支援・顧客管理)のクラウド・サービスがあります。サービスを提供しているのは米国に本社がある(株)セールスフォース・ドットコム社です。セールスフォースは、会社単位の契約で、必要な数のユーザIDを取得して利用します。申し込みをすればその日から使うことができます。基本機能の料金は1ユーザあたり数百円~数千円です。この料金の安さは従来のCRMのイメージと比較すると驚異的です。セールスフォースが登場するまでは、企業がCRMを導入するとなると数千万の出費は覚悟しなければならなかったからです。必然的にCRMを利用する企業はそれらを負担できる企業でしたが、セールスフォースの登場により、小規模な企業でも高額なCRMと同じ機能が驚くほど低価格ですぐに使えるようになったのです。これは、セールスフォースがクラウドによって世界規模で数多くの企業にサービスを提供していることによって実現できたことだと考えられます。昨年参加したセミナーで聞いたところによると、昨年から導入されている「エコポイント制度」の申請システムはセールスフォースを利用して3カ月で構築したということです。これも、一から開発する従来のシステム開発の手法では実現できなかったことだと思います。このように、システムやサービスがすぐに安価に利用できることもクラウドの大きな特徴です。
4.クラウド利用における注意点
クラウドを利用するにあたり注意が必要なのは、クラウドを利用した結果のデータはクラウドの向こう側に蓄積されるということです。先に述べたGoogleやセールスフォースを例に考えてみます。Googleメールを使う場合は、メール自体はGoogleのサーバに蓄積されます。セールスフォースを使う場合、顧客情報や営業情報はセールスフォースのサーバに蓄積されます。これは、利用者は常にデータを持ち歩かなくてもよく、パソコンの故障によるデータの損失は考えなくてもよいので、大変利便性がよいことではありますが、一方で、仕事に重要なデータを他者に預けることになります。クラウド事業者は、機密保持に不備や不正があると事業を継続できませんから、既に実績がある場合や既知の事業者に対しては一定の信頼を寄せることはできますが、データは他者に預けているという認識を持つことは重要です。そして、サービスがいつなくなってもいいように常にデータのバックアップや代替サービスの検討に注意を払うことが重要です。
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