第8回 最適なバックアップは何か?
連載第8回目のテーマは「最適なバックアップは何か?」です。
企業の部門レベルや個人レベルなど影響の範囲はともかく、PCの故障などによるデータ消失に遭遇し、「バックアップを取っておけばよかった」と思ったことが誰でも一度はあると思います。そして、その時はそう思うのですが、「喉元過ぎれば」で、なんとなくそのままで何年か経って同じことに遭遇するということもめずらしくありません。昨今はデジタル機器が周囲にあふれ、写真や動画など、一人当たりの扱うデータ量は膨大になっています。益々データのバックアップの重要性が増しています。コンピュータを扱う以上バックアップは切っても切れない永遠の課題だと思われます。ではどういうバックアップが最適でしょうか?お奨めはクラウド方式のオンライン・ストレージサービスを利用することです。
目次
- バックアップに必要な要素
- バックアップの方式
- バックアップの頻度と負荷
- バックアップの設定
- バックアップの運用(稼働状況の確認)
- バックアップの復元
- クラウド方式の付加的メリット
- 使い勝手がよいオンラインストレージ SuagrSync
1.バックアップに必要な要素
バックアップのしくみを構築する際に重要な要素を挙げてみます。
- バックアップの方式
- バックアップの頻度
- バックアップの設定の容易さ
- バックアップの運用(稼働状況の確認)
- バックアップの復元
- バックアップの付加的メリット
主に個人または小規模で運用することを前提に、上記の項目について以下に解説したいと思います。
2.バックアップの方式
バックアップの方式として大別すると「ハードディスク方式」「クラウド方式」が挙げられます。
-
ハードディスク(HDD)方式
その名のとおり、USB接続などの外付けHDDをPCに接続して、そのHDDにファイルをコピーする方式を指します。最近ではネットワークディスクと呼ばれるファイルサーバ的なハードディスクも利用可能です。更に「HDD方式」の場合にはファイルをそのままコピーする方法と、アーカイブ(ひとまとめにする)する方法があります。「HDD方式」は想像以上に運用が難しため、どちらかと言えば人数が多い企業向けであると思います。 -
クラウド方式
オンライン・ストレージ(ファイル保管)サービスを指します。「クラウド方式」では利用者はPC以外のハードウェアを必要としません。 -
HDDとクラウドはどちらがいいのか?
個人や小規模でのビジネス利用では以下の理由から「クラウド方式」をお奨めします。
「クラウド方式」の一番の長所は個別のハードウェアに依存しないということです。外付けハードディスクにも故障はありますが、クラウドには故障という概念は存在しません。またハードディスクには寿命がありますが、クラウドには寿命という概念はありません。もちろん、クラウド方式にも障害やサービス中止というリスクはありますので、実績のあるサービスを選択することがポイントだと思います。また、いずれの方式においても自動でバックアップが行われることが重要であることは言うまでもありません。
3.バックアップの頻度と負荷
どのくらいの頻度でバックアップをとるかということは、データを損失したときに、どれだけ最新に近いデータを復元できるかということです。しかし、バックアップのためにPCの使用が妨げられるようでは本末転倒です。仕事の邪魔にならず、何かオリジナルのデータに更新があったときには即時にバックアップされることが理想です(リアルタイム同期)。最近はPCや通信の性能が向上したため、従来ほどストレスなくリアルタイム同期が可能となりました。
リアルタイム同期を実現するために、「HDD方式」と「クラウド方式」のいずれでも共通して言えることは、適切なバックアップのソフトウェアを選択することが重要ということです。バックアップの頻度はソフトウェアの機能に依存するからです。「外付けHDD方式」の場合はバックアップソフトウェアも選択の余地がありますが、「クラウド方式」の場合はサービスとして提供されるソフトウェアの機能と性能が重要なポイントとなります。
4.バックアップの設定
設定は簡単な方が望ましいことは間違いありませんが、バックアップに限らずPCの設定というものは、少なくとも用語がわかる程度の知識がないと難しいものです。よって、ソフトウェアの設定については「HDD方式」でも「クラウド方式」にしてもそれほど差がないと思われます。しかし、「HDD方式」はハードディスクが必要ですから、それを取り付ける作業が必要となります。現代の周辺機器はUSBポートに差し込むだけではありますが、ディスク購入や取付け作業など、余計な時間を要することは間違いありません。「クラウド方式」はすべてソフトウェアこういった煩わしさがないことも長所です。
5.バックアップの運用(稼働状況の確認)
しくみは作ったけれどきちんと動作しなければ意味がありません。言い方を変えればシステムの信頼性とも言えます。バックアップの稼働状況が簡単に確認できることが望ましいですが、これについてはいずれのバックアップ方式でもそれほど差がないように思えます。意識して確認しなければ、どんなに稼働状況が確認しやすくても同じだからです。
そこで、見方を変えて、採用するバックアップシステムの信頼性に着目してみます。信頼性の尺度として、同じシステムがどのくらいの人々に利用されているかである程度判断できると思います。
「HDD方式」で同じしくみを利用している人と、「クラウド方式」で評判のよりサービスを利用している人の数はどちらが多いでしょうか?世界的にみると、恐らく評判のよい「クラウド方式」を利用している人の方が多いのではないかと思います。そして、ユーザの多いサービスは何か問題があるとすぐニュースになりますから、おのずと意識が向く場合があります。この点でも「クラウド方式」の方がメリットがあると思われます。
6.バックアップの復元
バックアップの目的は、障害などでデータが消失した時にできる限り最新に近い状態で復元することです。よって復元というのはバックアップの最大の目的であるわけです。では、常に復元の方法を意識しているかというとそれは無理なことです。
何かあった時に復元ができるようにするためにはどうしたらいいでしょうか?これも先に述べたバックアップの稼働状況の確認と同じことですが、同じシステムやサービスを使っている人がどれだけいるかということに関係します。つまり、ユーザが多ければ復元に関する情報もインターネットにたくさんあります。または、人に頼んで調べてもらう事も容易です。よって、バックアップの復元においても利用者の多いと思われる「クラウド方式」の方がメリットがあると思います。
また、障害が発生してPCが使えななくなった場合でも、「クラウド方式」のバックアップを採用していれば、バックアップデータはインターネットのサーバに存在しますから、他のPCを使ってデータを確認することができます。
7.クラウド方式の付加的メリット
「クラウド方式(オンライン・ストレージ)」のバックアップは単純にデータをバックアップするということ以外に以下に挙げるような付加的メリットがあります。
-
どこからでもバックアップデータが確認できる
クラウドサービスはインターネット越しに使うサービスですから、バックアップサービスの場合は、バックアップされたデータは世界中のどこからでも確認したり使うことができます。会社で作成したデータを出張先や自宅から確認したり更新したりすることが可能です。「HDD方式」の場合はバックアップデータがHDDに限定されますのでこのようなことはできません。 -
複数台PC間でデータの同期が可能
昨今では一人で複数台のPCを持つことは当たり前となってります。このような状況の時にある便利な機能が、複数のPC間でのデータの同期です。オンライン・ストレージには2台のPCの間でファイルの同期をとる機能を持つサービスがあります。 -
PCで削除したデータが一定期間保存されている
事故でなくても、一度削除したファイルを復元したいという経験もあるかと思います。そのような時も、PC側で削除したファイルが一定期間保存されれいるサービスもあります。 -
USBメモリのデータをバックアップ
主なデータはUSBメモリで持ち歩くという方もいらっしゃると思います。しかし、USBメモリにも寿命があり、また紛失といったことも想定されます。そこで、USBを差しているいる間はオンラインストレージで自動バックアップ(同期)ということも可能です。バックアップされたファイルはインターネット越しにどこからでも使用できることは前に述べたとおりです。
8.使い勝手がよいオンラインストレージ SuagrSync
SugarSyncというオンライン・ストレージサービスがありますのでご紹介します。SugarSyncは米国企業のクラウドサービスです。PCのファイルをリアルタイムでバックアップし、更に前項で挙げた付加的メリットがすべて実現できます。PCにSugarSyncのソフトウェアをインストールするのですが、このソフトウェアの動作が非常に軽く、PCの動作を邪魔することがありません。今年(2010年)の5月から日本語対応となりました。更にビジネスアカウントが新設され、複数人で使うためのサービスも整いつつあります。30GBの契約で年間約5,000円(44.99$)です(2GBまでは無料)。データの損失やしくみを構築する手間を考えれば決して高くはないと思います。
※本記事を元にして発生した損害やトラブルに対して著者および関係者はその責を負いません。











ご無沙汰してます。株式会社ビーテックの田上です。
Googleで検索中に偶然ヒットして訪問しました。
お元気そうで何よりです。
いつの間にか同業者として独立されたようで驚きました。他の方もお元気でしょうか。
一度お会いしたいものです。
Comment by 田上 智明 — 2010 年 6 月 29 日 @ 10:12 PM
[...] 第8回 最適なバックアップは何か? [...]
ピンバック by スリーIT・サポート・サービシーズ - 3IT Support Services - » 連載コラム開始のご案内 — 2010 年 8 月 4 日 @ 1:21 PM